おしらせ

【更新】「耳で聴くアートセオリー+聴覚で楽しむ美術展」 開催しました!

※より当日の模様を分かりやすくするため写真を増やしました。

「面白かった~」、と鑑賞会を終えた参加者がワークショップ会場に戻ってきました。
全体の様子をうかがっていた私たち主催者も「フフフ」と思わず笑ってしまうような楽しい鑑賞会になりました。

今回の公開講座の主旨はタイトルの通り「耳で聴くアート」です。
見えないことを体験することが目的ではなく、言葉でアートを表現し、想像するという新たな切り口から新しいアートの魅力を発見しよう!という試みです。
講師には視覚障がい者と晴眼者が、目の見える見えないといった互いの個性を活かし合い、共に語らいながらアート鑑賞を行う活動を続けられているギャラリーコンパの3名をお迎えしました。

ギャラリーコンパ(左から石田さん、濱田さん、松尾さん)

鑑賞のお手本を見せていただいています

ご協力いただいた長崎県美術館のエデュケーター 堀越さん

真剣に説明を聞く参加者の皆さん

講座は
・3名一組で作品鑑賞を行う「美術鑑賞会」
・感想を共有する「振り返りワークショップ」
の2部構成です。

鑑賞会場に出発

会場に入る前にアイマスクを装着

 

鑑賞会では1名がアイマスクを装着することで視覚情報を遮断し、残る2名で作品の選定、言葉で表現し伝える作業を行います。

大きなサイズの作品を選びましたね

どう説明しますか…

伝え方、表現方法は様々です。
鑑賞が2作目、3作目と進むにつれ選ぶ作品は「表現しやすいもの」から「表現し甲斐があるもの」に移り、形や色、サイズといった比較的具体化しやすいものから、聞こえてきそうな音楽は、会話は、とそれぞれの価値観や経験の違いから想像力が膨らむような表現へと移っていきました。その変化は参加者それぞれで楽しみ方を作り出しているようでとても印象的でした。

自分の言葉で作品を伝える

 

鑑賞時間が残りわずかになったところで、スタッフの合図によりアイマスクを外します。
伝えられた情報で想像した作品と目の前にある作品を見比べた感想として多かったのは「もっと大きな作品を想像していました」というものでした。頭の中には実際より大きな空間が広がっていたのかもしれません。

 

わ~大きい(と言ったかどうかは分かりません…)

おお!こんな作品だったんだ!(と思ったかどうかは分かりません…)

 

鑑賞後の振り返りワークショップでは、まずグループ内で改めて作品について感想を共有し、その後参加者全体で共有を行いました。参加者全員が説明をする人とそれを受ける人の両方を体験できたことで「1度で2度美味しい体験ができた」と感想を持たれた参加者も多かった様子です。

 

各班で感想を共有した後は全体で共有

講師のお一人である濱田さんは視覚障害をお持ちです。講座の最後に言われた一言がとても印象的でした。

「光ある世界に生きているということは幸せなんだということを忘れないでください」

うなずく参加者が多く、この試みによって障害のあるなしに関わらず共有の表現手段である言葉によって「見える世界」と「見えない世界」の接点を生み出し、表現し、気づきあい、認め合う場になったと実感しています。

 

 

スタッフオフショット♪

 


打ち合わせから盛り上がるスタッフ

どうも、一日お疲れさまでした!

 

写真:長野聡史